28歳、写真との和解

わたしは外見をコンプレックスに思い始めてから、ずっと写真が大嫌いでした。
（それまではカメラの前でお姫さまになりきってノリノリでポーズする子だったんですけどね）

カメラを避けて生きてきた人生

カメラを向けられた時の嫌な緊張感。
不意に撮られたら、なおさら嫌。
小学生の頃運動会や宿泊行事でカメラマンが
パシャパシャと写真を撮っているのが嫌でたまりませんでした。
そして出来上がった写真を見ると、やっぱり自分はブサイクで落ち込む。

中高生の頃のプリクラも、また地獄。
友人が行きたいというから付き合うけど
なんで撮りたくもない写真のために
おこづかいを減らさなきゃいけないのかとストレスでした。

目が小さくて一重でメガネだったから反応しなかったのか、
プリクラの機械がわたしの目を大きく加工してくれることは無く
隣の友人だけがいつもかわいくなっていました。

そして社会人になり
そろそろ撮られるかどうかは選ばせてくれ、という思いで
写真を撮られるのが苦手だと話すと
撮られるのが好きな人が
「え～？　なんで写真いやなの～？」
（わたしは自信があるから撮られるの大好き！）と
マウントを取ってくる。

どうせ理由なんて想像ついてるくせに、と
心のなかで悪態をつく。

そんなこんなで28歳までは、できるだけカメラを避けて
どうしても撮られなければならないときには
なるべく後ろにいって可能な限り小さく写るということを続けていました。

28歳の頃、婚活アプリで知り合った人とお付き合いを始めました。
お互いに緊張しながらの初デート。

なんとよりにもよって、彼がスマホで
わたしの写真をバシャバシャ撮り始めたのです。

それでなくても緊張しているのに！！

いや、それより、あとで写真を見返しながら幻滅されたらどうしよう！？

ああーやめてほしい…！！

わたしが内心パニック&ナーバスになっていることなど知らずに
彼は、自分のスマホのカメラ性能が良いことを
楽しそうに話していました。

付き合いたてだったので、まだ彼に対して遠慮もあったのと
外見に強いコンプレックスがあることを
彼に知られたくないというプライドで
「撮らないでほしい」とは言えませんでした。

初デートの緊張と、カメラを向けられる緊張でどっと疲れた１日でした。

その夜、彼がその日に撮った写真が
LINEのアルバム機能で送られてきました。
不安が胸に広がりつつ、見ないのも怖いので開いてみると…

………あれ。

なんか、そんなブサイクに写ってない。

え、この角度から見ると、私こんな感じなの？

この自分、初めて見た。

いや決して可愛くはないけど。

思ってたほど、この写真のわたし、悪くないかも。

普通に見れる顔かも。

デート前日、ドラッグストアのコスメコーナーに設置されている
小さな丸鏡に映った顔があまりにブサイクで
「こんなブサイク誰が好きになってくれるんだよ」と絶望していました。

なのに、デート当日に撮られた写真は
予想していたよりもずっと良く写っていました。

スマホカメラの性能の良さにハマっていた彼は
実験のようにわたしの色んな表情を、色んな角度から撮っていました。
その結果、わたしが見たことのないわたしを撮ってくれていました。

初めて、写真を見て自分の外見に肯定的な感情が出てきました。

28にして、わたしはようやく写真との和解を果たしたのです。

写真写りが良い・悪いと言いますが
考えてみたら、卒業アルバムの写真も
みんなちょっとイマイチではありませんでしたか？
可愛い子でさえも、卒業アルバムの個人写真では
実物の6割くらいの可愛さでした。

真正面の顔って、そもそも実物よりも良く写りにくいのかもしれません。
普段、自分の顔を鏡で見るときも真正面が多いですよね。
でも、人の顔は立体ですから、わたしたちの顔にはきっと
真正面では写らない魅力があるのです。

わたしはたまたま写真が上手な人が近くにいましたが
そうでない人は思い切ってプロのカメラマンに撮ってもらうのも
良いかも、と思っています。

例えば、ココナラなどのスキルマーケットでは
たくさんのカメラマンのポートフォリオを見ることができます。
記念写真のようなかしこまった表情ではなく
自然な表情を捉えてくれる人に一度頼んでみるのも良いと思います。

自分の魅力に、まず自分自身が気づきたい！
「今のわたし、なかなかいいじゃん」って思えたら
前向き人生のスタートですよね。

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